2006年1月14日土曜日

新春名作狂言の会

今年は第9回目だそうです。毎年やっているのね。
狂言は去年「京極噺」に行って初めて観てとても面白く、是非また観てみたいなぁと思っていたのでリーズナブルな値段で2種類の流派(っていうのかなぁ?)の狂言がみれて大満足です。

演目は茂山家が「末広がり」と野村家が「業平餅」でした。

最初に茂山千三郎さんが「末広がり」について解説。
流石に京都の人ですので、京都での茂山家の正月の迎え方などから始まって、「おけら火」の話もおもしろかった。
このおけら火を持ったままタクシーや電車に乗ってもよいというのも驚きです。
そして野村萬斎さんが登場されて二人で両家の犬の鳴き声の違いについてのトーク。
そのあと二人一緒に小舞を舞ってくれました。
同じ「ふじのさらし(あやふや?)」という舞いなのですが、同じ歌詞でも節回しも振りも全然違うのですよ。
でも最後はピッタリと同じ時間、同じ形で終ったのが可笑しかったです。
その後千三郎さんは準備の為はけてしまい、萬斎さんが「業平餅」について解説してくれました。
中で謡われる歌詞や言葉の意味を説明してもらえたので、よくわかり楽しめました。
それにしても萬斎さんお顔が小さい!!声が素敵!!
私は2階席だったのですが、周りの方は萬斎さんが登場するとオペラグラスを覗いておられましたよ(笑)

両家の違いはひと言で言うなら、茂山家は台詞の面白さ、野村家は動きの面白さかなぁと思いました。



◆末広がり
大名に命じられ末広がりを買いに都に上った太朗冠者、末広がりが何なのか知らない為すっぱ(詐欺師)に騙されて傘を買わされてしまう。
おまけとして主の機嫌をなおす唄も教えてくれる。
戻った太郎冠者は案の定大目玉。
しかし教えてもらった歌で主の機嫌が直るという話。
傘を売りつける時の説明や、主に大目玉を食らうところのやり取りが面白いです。
最後、謡いながら踊るのですが、主は何故この歌が面白いのかが、私にはわからなかったのでオチがあやふやなんですよ。
◆業平餅
女好きの業平が出掛けた先で、餅屋で休憩する。
餅を食べたいのだが、お金を持っていないので餅を売ってもらえない。
そこで餅尽くしの唄を謡ったところ、餅屋の主が何者かと尋ねる。
在原業平であると答えると、あの高職(好色)の!!ならばと、餅屋の主は自分の娘の宮仕えを頼む。
主が娘を呼びに行く間に餅を盗み食いして満足した業平は現れた娘を見て、妻にすると言う。
しかし、被っていた着物を取ると実は娘は醜女だったので、供の傘持ちにおしつけようとするが断られて最後はに娘に追われて逃げ惑うというお話。
業平を演じる萬斎さんは役にピッタリとハマっていてカッコイイ、着物もとても綺麗で華やかな舞台です。
お供の稚児は萬斎さんの息子さんで5歳くらいでしょうか?とっても可愛らしかったです。
貴族で優位であるはずの業平が餅を食べたさに、あの手この手で四苦八苦する姿が可笑しい。
そして最後の娘の顔を見た時の驚き方も傑作です。
で、こちらも最後は娘に追われて逃げながらはけてしまうので、オチがいまひとつピンとこなくて、あぁ、おしまいなのね。。。みたいな感じです。
狂言の終り方っていうのはみんなこんな物なんでしょうかねぇ?
中で謡われている歌詞とかが、もっとはっきりと意味がわかるとなお楽しめるんだろうなぁ・・
なんとなく、何を言っているのかはわかるのだけど、時々???と思うところもあったのがもったいないなぁって自分に悔しいです。
数を重ねるとわかるようになるかなぁ?
また、こんな機会があれば行ってみたいと思います。

2 件のコメント:

ミチル さんのコメント...

おお!おけら火おけら火!(2度言う)
そうです。これが日本で唯一、公共交通機関に公然と持ち込める火器です(笑
でも、まだ行ったことないんですよねえ。
一度行ってみたいです。
そして狂言。わりとオチははっきりしてるのが多いのですが
何せ古いものですから、笑いどころが現代人とは違うのですね。
言葉遊びも独特だし、私も節回しやシチュエーションで笑う事
の方が多いです(^^;
茂山の狂言なんかを見ると分かりやすいですが、狂言というのは
古い京ことばのイントネーションが残っている、つまり関西弁の
イントネーションなんだそうですよ。
と聞いてから、ずいぶんと面白く聞けるようになりました。

ざらえもん さんのコメント...

千三郎さんのおしゃべりは面白いですねぇ。。
ラジオのパーソナリティもやっていらっしゃるとか。
狂言のオチについて、「何せ古いものですから〜」で「!」です。
日本の昔話とか民話なんかの終わり方もなんとなくあやふやな感じで終わるものが多い気がします。
あとの事はお察し下さい。みたいな感じです。
その部分を汲み取る力が必要なんでしょうね。