2005年12月24日土曜日

アート&テクノロジーの過去と未来

初台のICCでやってる展覧会に行ってきました。
秋からの展覧会のチケット、会社、友人、新聞屋等から貰っていたもの、これで最後となりました。
今年はたぶんこの展覧会が見納めとなります。

この展覧会は戦後の日本で試みられたテクノロジーを使ったアートの紹介です。
表現の手法として科学的な物を使っているので、「ほう・・・」と思える作品が多く、見て触って楽しめる作品が好きな私としては、大満足。
一つ一つ試していると結構な時間を費やして見てしまいました。
それでも、解説してもらわないと「何コレ?」ってよく理解できてない物もあってちょっと残念。

受付で、「22番の作品は予約制ですので、ご覧になる方は整理券を貰って下さい」と言われ、それがどんんな作品なのかもわからずに、とりあえず整理券をもらいました。3時間位あとになるとのことでしたので、その間に他の作品を見てまわることにしました。



佐藤慶次郎<岐阜ススキ郡’99>
細い棒に小さいリングと白い球を通したものが幾つも立っています。時間ごとにその棒に振動が与えられリングが細かく回転、白い球も回転しながら棒の上に上っていくのですが何本もあるので、とても統制が取れていて綺麗です。
他にも、曲線の棒に通したリングが廻り続けるものがありましたが、これは振動だけではなくて、磁気も関係してるのかな?
この人の作品で四角い箱から金属の半球体が二つはめ込まれていて箱から音がでるものがありました。
この金属の半球体を両手でそれぞれさわると体に流れる電流により音がでるのです。
一人ではなく何人もの人が手を繋ぐとまた違った音質の音になっていて面白かったです。
三上晴子+市川創太<gravicells[グラヴィセルズ]−重力と抵抗>
暗い部屋足元に30cm位の正方形の板が幾つも並んでいます。四畳半位の大きさかなぁ・・
で、その上に多数の線が波状になった映像が映し出されていて、正方形の板に乗っかると自分の重力を読取って映像の波の形が変るというもの。
壁にはリアルタイムに出来た波の形を立体的に見せる映像が映し出されていて、板の上をウロウロしながら、波の変化を楽しみました。
何人もの人が乗っていると複雑な波の形になったり、一箇所にかかる重力が大きいと膨らみが大きくなるみたいでそんな事を、試行錯誤して楽しみました。
クワクボリョウタ<fluid>
明和電機でビットマンを作った人ですが、この作品は楽器です。
ipod位の大きさの機械にアチコチあるスイッチを押すとリズムを刻んだり、変な音が出たりします。
映像では実際に使っている映像が流れていましたが、手にとってやってみると、意外と複雑な音が出来ないものなのですねぇ・・・
この作品はキレイな音じゃなくて、ラップ音とかノイズを楽しむ感じでかなぁ?
岩井俊雄<時間層�>
写美で見たものと同じものですが、何度見ても飽きないですねぇ・・・
コレがパラパラ漫画と同じ原理とは・・・不思議です。
山本圭吾<ビデオゲーム・五目並べ>
2つのテーブルにそれぞれ碁盤が置いてあって、それぞれ黒の碁石と白の碁石のみがおいてあります。
テーブルの前にはTVモニターが2台縦に置いてあって、上の画面には自分の碁盤が映し出されています。
下の画面は相手の碁盤と自分の碁盤を合成したものが映るのですが、これは打ったときだけ数秒間しか映らないので、相手の石の並び方は覚えていないといけないのです。
5つ並べられるか、相手の石の上に自分の石を置くと負けとなります。
いのです。
画面と実際の碁盤は前後左右が逆なのでまたややこしい、途中で訳がわからなくなってしまいました。
これはビデオカメラが出来た当時の作品だそうで、撮った画像がリアルタイムに反映されるというのが画期的だったそうです。
合成画面が数秒映し出されるのは係りの人が手動で行っているのですが、今ならPCで出来そうです。
江渡浩一郎<Modulobe>
これはPCを使って作った3Dアニメーションを動かすもの。サイトはコチラ
自分でパーツを組み合わせて動きを指定するのですが、使い方が良くわからなくて、適当にいれて動かしてみると、凄く歪に動く動きがまた可笑しい。
「コレはもう死にかけてるなぁ・・」「おぉ、凄い躍動感!!」「ヤダ、気持ちわる〜」とイロイロ試して楽しみました。
コレは自宅のPCに入っていたら、結構楽しめるなぁ・・
他の人が作ったものを見るのも面白いです。
前林明次<ものと音、空間と身体のための4つの作品>
整理券を貰って見た作品。
暗い部屋にヘッドホンをつけて入り、4つの作品を次々と体験して廻るのですが、全部で8分かかります。
一人しか入れないので1時間に7〜8人しか見れない計算になりますねぇ・・
一つ目の作品はテーブルにラジオが置いてあって椅子に座るとラジオのノイズ音、ヘッドホンからは雨の音、微妙に違うものが数回繰り返される。
次の作品は床に窓の景色が映っていてその上に来ると風の音がする。
これはよくわからなくて、さっさと進んでしまった。
次もテーブルと椅子で座ると、机の上にある機械点滅を始める、メトロノームのように拍をとるのだけどこの時のヘッドホンの音が思い出せない・・・ノイズ音だったかなぁ??・
で、最後の作品はスポットライトのあたった所に立つと真っ暗になってしまい、ヘッドホンからは、カラスの声や人の足音や何かが迫ってくる音がして、もうビクビクでした。
何度も振り返ったりキョロキョロするのですが、真っ暗で、足元も微妙に振動してて、底が抜けるのではないか?とか何かに突き飛ばされるんじゃないかとか考えて、とても不安になりました。
終って部屋からでたらホッとしてしまいました。
久々の恐怖体験でした(笑)
作品は古い物から新しい物まで有りますが、やはり最近の作品はテクノロジーが進化しているので、「ほう・・」度が高いです。
この展覧会は25日、明日迄です。
今年は、たくさん展覧会に行ってきましたが、超ビジュアル展に出会えたことが、自分の嗜好を確認するきっかけとなったようです。
やはり、私は見て、触って、感動するインタラクティブな作品が好きだなぁ・・

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