2006年2月22日水曜日

アートと話す アートを話す


アートテキスト
19日(日)初台に行った時の展覧会。
遅くなってしまったけど一応記録しておこう。
場所は東京オペラシティアートギャラリーダイムラー・クライスラー・アート・コレクションです。
あのベンツの会社ですかね?
「わかり難いといわれがちなコンテンポラリーアートをどのように見るか」というのが主題のようです。
画像はこの展覧会のオリジナルワークブック。
子供でも使えるように簡単な言葉で書かれています。
作品を探して、「色は何色が使われてる?」「素材は?」「何が描かれている?」「音があるとすればどんな音だと思う?」などという質問を考えながら作品を見ることにより、作品の意図を読取ろうという趣向のようです。
書き込みをしたり、自分だったらこんな色に塗るなどと実践するページもあります。
最後は大人向けに用語や作品の解説も加えられていて、今まで見た展覧会の目録とはだいぶ違った作りで面白いです。
ミュージアムショップで1500円で売られていますが、週末等に行われているギャラリークルーズに参加すると無料でいただけます。

私はこのギャラリークルーズに参加してみたのですが、10人位のグループに一人学芸員がついて解説をしてもらいます。
が、この解説がこれまた、今までの展覧会の解説とは大違いです。
まず学芸員の選んだ作品を皆で観て、それから学芸員の方が質問をしてきます。
色、形、素材、どう感じたか等です。
「あぁ、コレはきっとこういうことをあらわしているんだろうなぁ」と心の中では思っていても、なかなか口には出す事が無いので、これは戸惑いました。
なるべく話を振られないようにしていたのですが、人の意見を聞くのは面白いです。
自分と同じように感じた意見を聞けば、「うんうん」と頷けるし、違うように感じた人の意見を聞くと、「あぁナルホド!言われてみればそんな風にも見えるなぁ・・」などと新しい発見が出来ます。

作品は絵画、造形、映像など様々です。
私は、作品が表現しようとするものを読取ることが苦手です。
色や素材や技術を観て面白い!とか綺麗!とか感じるのは大好きなのですが、作者はこの作品を作るときはどんな生活をしてどんな社会背景があったかまでを知らないと本当に作者が表現しようとしている事はわからないのだとしたら、それはすごくつまらないなぁ・・と思ったのです。
作品を読取るということは多分後者の方なんでしょうが、私は単純に観て感じるだけでもいいんじゃないかなぁと思うのです。

今回のこのギャラリー・クルーズではそんな読取る力を押し付けられたようなそんな気がしてしまったのでした。
学芸員の方はどんな意見にも頷いて「そうですねぇ、それは面白いですねぇ」とおっしゃっていたので、全く押し付ける感じはしなかったので、多分自分の中の劣等感がそう感じさせてしまったのかもしれません。

さて長くなってしまいましたが、面白いと思う作品もいくつかあったのでご紹介ておきますね。



さすがにベンツの会社のコレクションですので車関係の作品は多いです。
※カースティン・モッシャーのカーメンシリーズ
テレビ画面での映像作品で、ほふく前進をする人形が自動車のお面をつけて実際の車の通る道や山の中などを進んでいくのを映した映像です。
車に轢かれそうになったり、火のなかに突っ込んでいったり、崖を転げ落ちたりとやたら危ない目にあっているのになおも進み続ける人形が哀れで可笑しい。
これは車社会に対する批判なんでしょうかねぇ・・?
※シルヴィ・フルーリーのオーラ・ソーマ
壁の棚に一列に並べれれた香水のビン
全部で40個くらいあるのかしら??
数はわからないのですが、その瓶はどれも二色の液体が入っています。
水と油だと思いますが、綺麗に2層に分かれていてその境目も一定の高さでとても美しいです。
色の組み合わせを見て、好きが嫌いか考えたりどんな香りがしそうかしら?と考えたりしてみました。
※アー・ユー・ミーニング・カンパニー 気のあう二人
色で表現した作品ではこれも面白いです。
部屋の間取り図で家具の配置もありますが、二部屋が左右対称に並んでいます。
それに色を塗っているのですが、色の組み合わせによりタイトルがつけられていて、そのタイトルがナルホド!と思わせる。
何十枚も壁に貼ってあるのですが、これはそこに住まおうとする人を想像してしまったりします。
2階はアートギャラリーの収蔵品展で、抽象画ばかりの展示です。
その中の一部が小林浩の個展になっていまして、なかなか良かったです。
モチーフは熊や羊や猿のぬいぐるみたちです。
光沢のあるアクリル絵の具の白と藍色のみでの表現ですが、遠くから観ると写真のようなのです。
近づくとウネウネとした模様にしか見えないので驚きます。
ぬいぐるみの可愛らしさもさることながら、躍動感があり、観ていて楽しい作品です。

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