2006年10月22日日曜日

勝手に広告展ギャラリートーク

ジブリ美術館に行ったあと、急にお誘いを受けてギンザ・グラフィック・ギャラリーへ行って来ました。
ちょと日が経ってしまったのですが、せっかく貴重なお話が聞けたので書いておこう。
「勝手に広告」展のギャラリートーク
佐藤雅彦×中村至男×ホンマタカシ
勝手に広告展の作品を系統別に説明し、写真家のホンマさんに意見を聞いたりといった感じで進められていきました。
作品によって似た表現方法をとっているものがあるなぁ・・という印象は受けていたのですが、佐藤さんの説明では本当にキッチリと分類されるということがわかりました。

"表象"はどのように現実に定着するのか
というテーマがスクリーンに出ているのを見て、「テーマからしてさっぱり意味がわからん、はたして私に内容が理解できるだろうか???」と一抹の不安を胸に聞き始めたのですが・・・・

始まってみればいきなり展示室からの中継で、カメラ越しに作品の説明、これが結構おもしろくて佐藤さんはもともとCMを作る方だったせいでしょうか、カメラを通して伝えることに慣れていらっしゃるなぁと感じました。
カメラはホンマさんが撮影されていたのですが「会場に行く前にちょっと寄るところが・・・」と言いながらトイレに向います。
ええ〜〜トイレの中までついていくのか??
と思ったら、洗面所の鏡にカメラマンのホンマさんを映して紹介されていました。

さて「勝手に広告」というシリーズは佐藤さんと中村さんが、表象という頭の中のモヤモヤとしたイメージをどう具体的に表現するかということを考えた時に、企業のロゴを使ったものが浮かんだのだそうです。
それ以来、様々な技法を用いて作られているのですが、それぞれの作品は一朝一夕には出来ていなくて、何度も試行錯誤をして作られているという事がよくわかりました。

なんとなく頭の中でこんな感じって面白いかもなぁ・・と思ったものを実際に作ってみる。
作った時の自己満足ではなく、その頭の中に浮かんだ面白さを見ている人に伝えるってことは本当に難しいことなんだなぁと思います。
そんな中で中村さんの「説明しすぎないデザイン」という言葉が印象的でした。
「見ている人が頭の中で一本線を加えることにより完成する作品のほうが面白い」というものなのですが、ラーメンズのコントにもこの方法は当てはまっているなぁ・・・

ホンマさん写真を撮るときの感性もすごくて、ホンマさんの写真で「グリコシティが本物の街のように見える」「鉛筆の森の荒涼とした世界観」は何故出来るのか?という問いに対し、「自分がそう見えるからそう写るんだ!!」という答え。
写真ってなかなか感じたままには写らないよなぁ・・・と思うのですが、これから写真を撮る時にはどんな感じに見えるかということを自分で確認して撮ってみたいなぁと思いました。





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