2006年10月8日日曜日

ポスト・デジグラフィ展のトークイベント

東京都写真美術館で開催中の「ポスト・デジグラフィ展
勤め先で招待券をもらっていたのですが、10/8に岩井俊雄さんのギャラリートークがあるとのことだったので今日を待っての参戦です。

岩井さんのギャラリートークは地下映像室ではなく1階のワークショップをする部屋に移動して催されました。
写美サイトでの告知では20名定員、岩井さんのブログでは50名に変更とのこと、行って見ると30名定員となっていました。
実際には30人以上入っていたと思いますが・・・

今日のトークはTENORI-ONの誕生までの軌跡
これまで岩井さんの講演は何度か聞いていて、TENORI-ONの演奏も何度も聴いているのですが、今日は初めて聞く内容が多くて行った甲斐がありました。
岩井さんはもともとは映像を使ったアーティストなのですが、映像作品を発表する時に音の部分を他の人に任せるのがどうも釈然としなかったそうなのです。
しかしながら、自分には音楽の知識や素養があるわけではないので、困ったなと・・・
そんな時手回し式のオルゴールをみつけそのオルゴールの楽譜となるミュージックロールを目にします。
五線譜の♪よりこの時間の流れにそってあけられた穴の位置で表す音の方がわかりやすい!!
って所から升目に音を並べるとう手法が使われるようになったそうです。
TENORI-ONに至るまでには様々な作品を経るのですが、
「レゾナンス・オブ・フォー」や「映像装置としてのピアノ」「音楽のチェス」など
ゲーム用ソフトで初期のファミコンのソフトを制作していたと言うのは知っていたのですが、バンダイのワンダースワンというゲーム機のソフトで「テノリオン」というのもあったのだそうです。
今日はこの小さいポケットゲーム機を使っての演奏もしていました。
液晶画面には音を並べる碁盤の他にTの形のキャラクターが音にあわせて踊ったりして可愛かったです。

10/7-8に恵比寿ガーデンホールでsonar sound tokyoライブがあるのですが、8日に岩井さんはTENORI-ONの演奏で出演されるそうです。
行きたいのだけど、時間も遅くチケットも高いので無理なのです。
これまでの音源はヤマハの音源を使っていたそうですが、明日のライブは独自の音源を初めて披露するらしいです。

私はこのTENORI-ONをDAF東京で実際に触ってみたのですが、あれ以来触らせてもらえる機会がないですねぇ・・・
商品化はまだまだかかるとのことでした。

最後に岩井さんのTENORI-ONの演奏でちょうど2時間の講演でした。
その後20分ほど質疑応答がありましたが、この時の岩井さんの頭の回転の速さに感服しました。
うまくまとまっていない質問に対しても的確に直ぐに答えていらして、すごいなぁと。。。。

私の勤め先の上司も私がヘタクソでまとまりのない質問をしてもちゃんと疑問点を察して的確に答えてくれるのですが、頭が良いというのはこういうことなんだなと思います。

よく「結果がすべてだ!!」という言葉を聞きますが、岩井さんの作品は「体験した結果」ではなく「体験している時の感触」がすべてじゃないかなぁと再確認した講演でした。







2 件のコメント:

aiwendil さんのコメント...

行かれたのですね!
楽しまれたようですね。いいなあ。
私もゲームソフトのテノリオンのことは初耳です。
岩井さんの仕事を拝見していると、すべてがつながっているんだなあ、と思えますよね。
映像装置としてのピアノ、いちど本物を見てみたくてたまりません。
TENORI-ONも触ってみたいなあ。
そういえばざらえもんさんは、TENORI-ONを触ったことのある数少ない人間なんでしたね。
貴重な人材です(笑)。

ざらえもん さんのコメント...

aiwendilさん>
そうそう、岩井さんもおっしゃっていました。
僕の作るものは、たまたま居合わせた人がつながって出来ているんだって。。。
一つの作品を発表すると、それを見に来ていた人の協力で次の作品ができて、その作品を発表するとまた別の人と知り合って次の作品が出来るといった具合です。
才能や運もあるのでしょうが、やはり岩井さんの人柄によるものが大きいんだろうなぁと思いますね。
TENORI-ONはDAF東京の前に、青山スパイラルのCDショップの
視聴コーナーに置かれていた時期があったそうです。
そんな自由に触れる機会があったなんて!!
くぅ〜〜〜!!
作品を沢山つくっている岩井さんですが、商品をつくる難しさを痛感しているとのこと。
TENORI-ONに比べたら、ゲームソフトを作るのはうんと簡単なんだそうです。
そう考えると、明和電気が作品を次々と商品にしているのはSMEやや吉本興業に所属しているがゆえの利点なのかもしれませんねぇ。