2007年12月24日月曜日

六本木クロッシング2007:未来への脈動

森美術間で開催中の「六本木クロッシング2007:未来への脈動」展
15日に行って日にちが経ってしまったけれど、とても面白い展覧会だったので遅ればせながら書いておくことにします。

36組の日本のアーティストの作品の紹介なのですが、個性的な作品が多くてどれも楽しいです。
特に気に入ったものをいくつか書き留めておきます
【榎 忠:RPM-1200】
円形の台の上にネジやボルトなど金属部品が積み上げられていて、まるで都市の模型のようになっています。
その半端無い量とボリュームに圧倒されます。
タイトルの1200というはの金属を削る旋盤の1分間の回転数なのだそうですが、アルミ工場で育った私にとっては普段から身近にあった部品でこんなにすごい街ができるなんて!!と感動でした。
この作品は照明が明るくなったり暗くなったりするのですが、横の壁に映る作品の影が本当の街のようで、こちらもとても綺麗で感動します。

【吉村 芳生】
作品のタイトルは忘れてしまったのですが、自分の顔を365日、1日1枚鉛筆で書いた作品。
その日の気分などで微妙にちがう表情が365日分並んでいます。
圧巻です。
が、もっとすごいのは手書きの新聞紙。
「何故新聞が貼ってあるのかしら??」と思い近づいてよ〜〜く見たら!!!!!!
全て手書きです。
記事は勿論、広告の写真まで鉛筆で描かれています。
新聞は、日本の新聞と英字新聞が数枚ずつ貼られているのですが、その下に横に数メートルの金網が貼られています。
で、その金網も全て手書きです。
なんとも根気のある人だなぁ・・と感心します。
流行語の「どんだけ〜!」という言葉はこの人の為にあると思いますよ(笑)

【田中 偉一郎】
この人の作品は細かいものが幾つかあるのですが、どの作品もクスッと笑えるものばかりで、楽しいです。
「刺身魚拓」
魚の切り身で魚拓をとったしょうもないものなのですが、捕れた場所が「西友三軒茶屋店」などと書かれているところが笑えます。
「トーナメントモビール」
トーナメントの組み合わせ表をそのままモビールにしてしまった作品です。
いわれてみれば、同じ形をしてるんですよねぇ〜
「ハト命名」
公園のハトをビデオに録って、それぞれのハトに名前をつけているのですが、高橋よし子や田中一郎のように人間の名前をつけています。
一瞬停止してアップになったハトにつけられた名前はそれなりに「ああ〜いるいる〜。こんな名前のこんな人」と妙に共感できて笑ってしまいます。
「テーブル・ビー」
普通のテーブルにビー球を置いてエアホッケーのように手のひらで打ってあそぶゲームです。
ものすごくシンプルなので、今まで見たこと無いほうが不思議なくらいです。
他にもこけしのマリオネットやら、街の中で既に壊れた場所なのにいかにも自分が壊したようなポーズをつけて撮った写真集とか、バカバカしい作品が沢山あって楽しめました。

【宇川 直宏:ハリケーン・カトリーナ】
丸いドームの中で下から吹き出す風圧で風船と紙幣が舞っている作品です。
中に入って強風を体験できると書かれてあったので、予約をしてみました。
開始時間に行ってみると、見物客がワラワラと集まっているのに中に入るのは私と大学生位の男の子の二人だけで、「えぇ〜〜!!!マジで!?卍で??」とかなり恥ずかしかったです。
しかも白いツナギと長靴に着替えなくてはいけないし・・・
もう後にはひけないと観念して入ってみましたが思ったほどの強風ではなかったです。
本物の紙幣を掴んでぱぁ〜っと投げ飛ばす体験ができたので良かったです。
なかなお金をばら撒くなんてできませんもんね〜

【佐藤雅彦+桐山孝司:計算の庭】
最初にある数の書かれたカードを持って庭に入ります。
庭には「×7」「−5」「+4」などと書かれたゲートがあり、そこを潜ることにより自分のカードが計算されます。
最終的に73になったら庭から出る事ができます。
途中で何度もゲートを潜るうちに自分のカードが今いくつなのか計算できなくなってしまったら、庭の隅っこのPCで読取ることができます。
結構しばらく使わなかった脳みそを使いました(笑)
漢字も書かないと書けなくなりますが、計算もやってないとだんだん出来なくなってくるものですね。
これは小学校に一つあったら良いと思います。
算数嫌いの小学生は必ず減るはずです。

【中西信洋】時間を追って撮影したフィルムを重ねて見るという作品ですが、時間の流れを立方体に閉じ込めて見るというのが面白く、また意外な美しさを発見できます。

今回は今まで見たことのない作品ばかりで、現代アートの面白さを改めて感じた展覧会でした。
こんなに面白いのにそれほど混雑もしていなくて、一方の新美術館のフェルメールはすごい人出だと聞くと、なんだか納得いかないなぁと思うんですよネェ・・・


0 件のコメント: