2008年10月12日日曜日

パパ・タラフマラ新作公演

友人から突然行けなくなったので、行きませんか?というメールをもらい、チケットを譲り受けて行ってまいりました。
場所は東京グローブ座(久しぶりです)
「ガリバー&スウィフト 作家ジョナサン・スウィフトの猫・料理法」
パパ・タラフマラなんて劇団も良く知らないのですが、舞台美術が現代アーティストのヤノベケンジさんだというので、さてどんな舞台だろう?と観てみる事に。
内容はガリバー旅行記の作者、スウィフトの生涯を猫を通して紹介するというストーリーです。
台詞劇ではなく、コンテンポラリーダンスというのでしょうか、身体表現で話が展開していく舞台です。
ダンスといえばコンドルズぐらいしか見たことが無く、ミュージカルも見たことが無い為、最初はかなり戸惑いました。
いきなりの変な踊りと音楽。
なんじゃこれは?意味がわからん???
見ていくうちに、だんだん慣れてきたものの、最後まで難解でした。

今日は終演後に演出家の小池博史氏とヤノベケンジ氏のアフタートークがあったので、聞いてきました。
スウィフトの話は小池さんの中で形にしたいという思いが何年も前から暖め続けていたそうなのですが、なかなか実現が叶わず、昨年ヤノベさんの作品を見て、逆説的な表現がスウィフトと通じるものを感じオファーしたのだそうです。
ヤノベさんは依頼を受けて「いいですよ」と言ったものの、ダメそうならできませんって言えばいいやと思っていたところ、脚本を読んで自分と作品と重なるものを感じたとのことで、お互いに引き合うものがあったようです。
実際に舞台の上でヤノベさんの作品はとても巧く使われていて、4つの丸い球体が部屋になったり、役者の現れる幕になったり、中央で演じる役者を見る目になったり、他にも移動手段として使ったりしていました。

ヤノベさんは京都芸大でウルトラファクトリーというチームで製作に取り組んでいるそうなのですが、そこで小池さんのワークショップに参加して演じることも体験なさったそうです。
小池さんの役者の身体表現を引き出すという演出を見て、自分が作る舞台美術は、役者がどのように使っても、何とでも解釈できる作品にしようと思ったのだそうです。

最後に客席から「今後、またお二人で組んで舞台を作ることがありますか?」という質問に、小池さんは「もちろん、機会があれば。」という答えに対し、ヤノベさんは「ありません。今回はスウィフト、小池さんの脚本、ウルトラファクトリーの学生たちなどの条件がいい具合にそろっていい結果がだせましたが、これ以上の作品が作れる条件がそろえば、再度組むこともありますが。。。なかなか難しいと思うので、とりあえずありませんと言っときます。」
というとっても正直なお答えでした。

小池さんに比べてヤノベさんの口数は少なめでしたが、自分の作品に対する誇りと誠実さを感じるトークでした。
最後に、巨大幼児の人形が動いていましたが、私は人が入って動かしているのだとばかり思っていましたが、実際はコンピューターを使って操作しているとのことでした。





2 件のコメント:

aiwendil さんのコメント...

おお! レポありがとうございます!
やはり前衛的な舞台だったのですね。
全日程が終了したためか、ヤノベさんのサイトにも舞台の写真がいくつか上がっていましたね。
やはり生で見たかったなあ・・・。
コメント、そのきっぱりした言い様がヤノベさんらしいですね。
今後どんな展開を見せてくださるのか楽しみです。
そういえば横浜トリエンナーレ関連で今、横浜BankARTでヤノベさんの「スタンダ」が見られるようです。
私も見逃さないようがんばります。

ざらえもん さんのコメント...

aiwandilさん>
その節はどうもありがとうございました。
舞台の上での表現というのが無限なんだなぁ・・とあらためで感じました。
横浜トリエンナーレも11月いっぱいなので是非とももう一度足を運びたいところです。
上京されたときはお声かけくださいね。